よくあるご質問
よくあるご質問
Q.他院様で
「抜歯」と診断されましたが、
本当に治療できないのでしょうか?
A.日本人の抜歯に至る原因のトップ3は以下の通りです。
- 歯周病(重度の歯周炎で歯がぐらぐら、腫れを繰り返している、など)
- 虫歯(虫歯が深く歯が残っていない、虫歯を取り除くと歯に穴が空いてしまう、など)
- 歯の破折(破折が深刻で深い歯周ポケットの位置と一致する)
すでに根の治療が施されている歯(既根管治療歯)では、虫歯の再発や歯の破折が原因で抜歯と説明を受ける場合が考えられます。
ただし、被せ物が入っていると、残っている歯の量や破折線がよくわからないことがあります。その場合は除去・精査が必要ですので、ご相談いただければと思います。
Q.歯根破折(しこんはせつ)
した場合、どうなりますか?
A.歯根破折には、主に外傷で水平的に破折する場合(水平的歯根破折)と、噛む力(咬合力)で垂直的に破折する場合(垂直性歯根破折)があります。
水平的歯根破折では、歯のぐらつき(動揺)が強い場合は隣の歯と固定し、しばらく経過観察します。腫れたり痛みが出たりした場合は、根管治療が必要になります。破折部分で炎症が広がらなかったり、歯周ポケットからの感染が認められなかったりした場合は、経過観察ののち終了になることもあります。
垂直性歯根破折では、保存困難として抜歯になります。当初は残すことを期待して治療を始めたものの、被せ物の除去や外科的なアプローチによって垂直性歯根破折が後で確認される場合があります。その際は残念ながら保存治療は中断となります。
Q.歯が割れてしまったのですが、
必ず抜歯になりますか?
A.割れた位置と深さによりますが、割れ方が垂直的な場合は抜歯になります。
残念ながら割れた歯はくっついて元通りにならないため、歯の保存は困難ですが、抜歯をした後に別の歯の移植を行える場合があります。これは、不用歯になりやすい親知らずがお口の中に残っていて、大きさがちょうどよく、抜きやすく、ドナー歯(提供側)として使うことができる状況のときです。
可能な場合、割れて保存困難な歯を抜歯、ドナー歯を抜歯して先ほどの抜いた歯の場所に移植、移植した歯を1ヶ月ほど隣在歯と固定、を行います。移植した歯の歯根形成が完了している場合は、移植から2-3週間後に根管治療を開始します。
歯根が未完成の若年者の場合は、移植後にも移植歯の血流の再構築が得られ、根管治療をしなくても済む場合があります。その可能性がある場合は移植後しばらく経過観察をします。
いずれにしても歯が割れた場合は抜歯となりますが、その次の治療方法にはいくつか選択肢がある場合がございます。ご不安な方はどうぞご相談ください。
Q.割れた歯を残せる可能性は、
どのような検査でわかりますか?
A.歯の破折の診断には以下のような検査で、総合的に判断することが一般的です。
- 口腔内所見(歯肉の腫脹、瘻孔の有無)
- 歯周ポケット検査
(限局的な深い歯周ポケットの有無) - デンタルエックス線画像診査および
CBCT撮像
(亀裂や周囲歯槽骨の喪失の確認) - 透照診(ピンポイントで光を当てて、
破折により光が遮られる様子を観察) - メチレンブルー染色液を用いた視診
(破折線の染め出し)
初期の歯の破折では亀裂が非常に細く狭いことが多く、エックス線画像でなかなか写ってきません。また、透照診やメチレンブルーによる染め出しでは、既存の詰め物や被せ物を外してからでないと適切に診査できない場合があります。
その上で、歯の上部(歯肉縁上の歯冠部分)に限られた歯の破折の場合は、割れた歯でも残せる場合があります。
Q.治療相談を受けると、
どのような治療の選択肢が
広がりますか?
A.かかりつけ歯科医院がない場合でも、当院で治療相談にお越しいただくことで、以下のような点でご満足いただけるように心がけております。
- 現在お困りの歯の状況説明
- 治療の選択肢、それぞれの方法
- 歯周病治療、補綴治療、予防歯科の観点から、お住まいの近くの歯科医院のご提案
歯や歯の神経が保存できる場合は歯内治療について、保存困難な場合は抜歯後の選択肢についてをご説明しています。
インターネット等で得られる情報はあくまで一般的な内容で、ご自身の場合はどうなのか、どういった治療方法があるのか、わからないことがよくあるかと思います。治療相談で来院されることで、「現状がどうなっているのか」「どういった治療が受けられるのか」をご説明をいたします。
Q.抜歯せずに残せる治療と、
抜歯後に行うインプラント・
ブリッジなどの治療は
どう違いますか?
A.抜歯してさらにその後に行う治療(インプラント治療など)と比較して、歯内治療、根管治療を行って歯を残すことで得られるメリットは以下があります。
- 歯根膜を残せる唯一の治療:噛む力のセンサーとクッション機能を保持
- 低侵襲・低リスク:
外科的手術を伴わず、全身的な負担が少ない(ただし再治療で外科的歯内療法が適応になる場合があります) - 経済性:インプラント治療などと比較して、長期的に費用効率が高い
- 再治療可能性:万が一失敗してもリカバリーの余地がある
- 心理的安心:「自分の歯を残せた」という満足感
Q.忙しくて
すぐに来院できない場合、
応急的に自分で
できることはありますか?
A.破折した歯では、外力による負担が症状を悪化させてしまうことが考えられます。できるだけ早くの診査・診断・治療が望ましいですが、すぐの来院が難しい場合、下記についてご注意ください。
- 該当部位で噛むのは控える
- 今日の様子はどうか、とたびたび叩いたり触ったりしないようにする
- 熱いもの・冷たいものがしみるようであれば、口にする食べ物に気をつける
- 口腔内を清潔に保つ
Q.セカンドオピニオンと
治療相談はどう違いますか?
A.「セカンドオピニオン」は、現在の担当医にセカンドオピニオンを希望する旨をお伝えし、紹介状や検査データを提供していただいて他の医療機関を受診する流れのことをいいます。
したがって、現在かかりつけ歯科医院がない場合や、お困りの歯の治療経緯や治療方針、背景を知る専門的な資料がない場合は、厳密な意味でセカンドオピニオンとは異なります。
一方で、お困りの歯について専門的な見解を知りたい場合や、かかりつけ歯科医院が決まっていないが話を聞いてみたい場合があると思います。その際は「治療相談」として当院ではお受けしております。
インターネットで調べた内容が自分の今の現状と同様なのか、検索して出てきた治療方法が自分にも適応になるのか、実際の様子を診査させていただくことで、適切なご提案ができるようになります。知りたいことがおありな場合は、治療相談としてどうぞご連絡ください。